Category: 2018

マスク・フロム・ザ・スカイ

2チャンネル4Kビデオ、サウンドポートレイト:5’55″(loop)、メイキング:5’55”(loop)マスク:φ30cm、磁器、屋上で集めた素材、8枚佐賀2018 2016年から3年間、毎年2、3週間佐賀市に滞在し、リサーチ、プランニング、制作過程をギャラリー内で公開した。初年度はギャラリー内にテントを建てて住み、佐賀市のリサーチや、来場者からもたらされる情報をもとにプランを練っていった。古い農機具に付いていた土ぼこりや、都市問題となっていた鳥(主にカラス、シラサギ)の糞を洗って集めていった。そして翌年、それら集めたものを試験的に釉薬に使ってみると、思いの外しっかりと定着。近くに有名な陶磁器の生産地がいくつもあり、かつて居間に飾られていたという陶磁器製の仮面や、九州北部の仮面を用いた祭りなどから、仮面のような皿のようなものを陶芸家の協力をえて制作した。さらに次の年、市民のアンケートから博物館の屋上が汚れている、という情報をもとにリサーチし、他に図書館、新聞社、映画館の屋上で汚れを収集していった。鳥が落としていった羽や、どこからか飛んできたボール、自生していた植物を皿状の仮面に載せそのまま焼成。それぞれの建物で働く人にかぶってもらいポートレイトを撮影した。

作業にまつわる層序学

シングルチャンネル4Kビデオ、サウンド、横浜市民ギャラリーから排出された約半年間分のシュレッダーゴミ。セバスチャン・マティアス《x/groove space》のフッテージ11’11”2018新・今日の作家展2018 定点なき視点 僕が歩くその道は、アスファルトが敷かれ、その下には砂利などがあり、さらに下には噴火灰や大地震でできた層や、かつて海底だった年代の層が積み重なっている。僕が舞台作品に関わって制作した映像素材を基底に、いくつかの場所を訪れるたびに作業する人を重ねて撮影していった。作業台となるテレビ画面のなかには過去に撮影した作業風景が映っているが、新しく作業を撮影するごとに映像は劣化し、見えにくくなる。それぞれの作業には関連性がないけれど、僕にとっては撮影場所(だいたい展覧会や制作で訪れた)や人が関連していて、制作時における僕にまつわる層序学ともいえるドキュメントになった。発表した横浜市民ギャラリーでは、展覧会の依頼があったときからシュレッダーゴミをためておいてもらい、映像とリンクするようにそれを会場に投入した。会期が始まってからも事務所から出たシュレッダーゴミは展示場所へと運んでもらった。映像終了後、会場内の照明が3分間点灯し、来場者はシュレッダーゴミのなかで次の上映を待つ。 installation view : photo by Ken KATO special thanks: Sebastian Matthias, Jubal Battisti, Lisanne Goodhue, Deborah Hofstetter, Oskar Landstrom, Harumi Terayama, Idan Yoav, Atsuhiro…