シングルチャンネル・HDビデオ、サウンド
14’45”
2008
洗浄や浄化が過剰化する作用に関心を持つようになった。人によって時代によって清潔観念も変化する。あれはきれいでこれは汚い。すべて汚い。すべてきれいにする。僕たちの生活で洗浄することはとても身近な営みだけど、そこに作用している価値判断はどこからくるのだろう。テレビをつけると深夜の通販番組では「なんでも洗える!」とその特別な洗剤をけたたましく宣伝している。なんでも洗える。なんでも洗っている。見えないところで行われているいくつもの洗浄を、僕たちは想像可能なのだろうか。そんなことを思いながら、台所でコップを洗う。野菜を洗う。魚を洗う。