Category: work

見るは触れる 2022年9月2日 ー 12月11日
東京都写真美術館 ※追記アーティスト・トークのお知らせ(9/17)

9月2日から12月11日まで東京都写真美術館で開催される「見るは触れる 日本の新進作家vol.19」に参加します。2年前の個展をベースにヨコトリ2020での映像を加えて発展させたものになります。 9月17日(土)14:00から東京都写真美術館2Fロビーにてアーティスト・トークを行います。時間は1時間程度で前半は作品の説明、後半は質疑応答になる予定です。 東京都写真美術館 https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4282.html 開催期間:2022年9月2日(金)~12月11日(日) 休館日:毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館) 料金:一般 700(560)円/学生 560(440)円/中高生・65歳以上 350(280)円 ※( )は当館の映画鑑賞券ご提示者、年間パスポートご提示者(同伴者1名まで)、各種カード会員割引料金。各種割引の詳細はご利用案内をご参照ください。各種割引の併用はできません。 ※小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)年間パスポートご提示者(企画展4回まで)は無料。

Brooming
( 2020年5月26日ー2021年5月26日)

Broomingのドグマ マスク着用 半径1m 365秒 365日 1年で24時間を記録する 屋外公共スペースのみ 同じ場所を掃除しない 動画をYoutubeに保存する ※東京でCOVID-19の非常事態宣言が解除された翌朝、日の出時刻からBrooming(ほうきがけ)を始めました。 毎日4分(5月から3月まで月末のみ2分)ずらして行い、時間と場所を変えていきます。

モーターサイクル・ウォッシング

2チャンネル・シンクロ4Kビデオ、サウンド10’34”タイ2017 タイでの滞在制作。ミャンマーとの国境近くの町バーン・ノーン。ここにはミャンマー労働者が合法・不法を問わず数多く働いている(ゆえにシルエットは個人を特定できない)。バイクを運転することは違法なのだけど、彼/彼女らからバイクを取り上げると生活ができなくなる。タイで働いた給料で買ったピカピカのバイクを誇らしく乗っている彼らがとても印象的だった。寺院の集会スペースで洗車と撮影。現地のタイ人コーディネーターから「もっと洗って」「もっと丁寧に」といった指示がとぶ。そんな指示の中で彼女の話とか、雑談しながらバイクを洗う姿は、普段から工場でタイ人の上司から指示されて作業する彼らの姿と重なった。 個展《親密の遠近法》インスタレーション風景 写真・加藤健

マスク・フロム・ザ・スカイ

2チャンネル4Kビデオ、サウンドポートレイト:5’55″(loop)、メイキング:5’55”(loop)マスク:φ30cm、磁器、屋上で集めた素材、8枚佐賀2018 2016年から3年間、毎年2、3週間佐賀市に滞在し、リサーチ、プランニング、制作過程をギャラリー内で公開した。初年度はギャラリー内にテントを建てて住み、佐賀市のリサーチや、来場者からもたらされる情報をもとにプランを練っていった。古い農機具に付いていた土ぼこりや、都市問題となっていた鳥(主にカラス、シラサギ)の糞を洗って集めていった。そして翌年、それら集めたものを試験的に釉薬に使ってみると、思いの外しっかりと定着。近くに有名な陶磁器の生産地がいくつもあり、かつて居間に飾られていたという陶磁器製の仮面や、九州北部の仮面を用いた祭りなどから、仮面のような皿のようなものを陶芸家の協力をえて制作した。さらに次の年、市民のアンケートから博物館の屋上が汚れている、という情報をもとにリサーチし、他に図書館、新聞社、映画館の屋上で汚れを収集していった。鳥が落としていった羽や、どこからか飛んできたボール、自生していた植物を皿状の仮面に載せそのまま焼成。それぞれの建物で働く人にかぶってもらいポートレイトを撮影した。

ダンパリウム

不法投棄物、ワイヤー、ボルト、木、その他h6m x ø12m、h3m x ø6m、h1.5m x ø3m石巻市鮎川、宮城Reborn Art Festival2017 東日本大震災で大きな被害を受けた石巻市でのアートフェスティバル。リサーチを繰り返すたびに、同地の山にはたくさんの不法廃棄物があることが確認できた。古いものが多く、共生しているような趣もあって、アニメの世界のようにも思えた。また同時に害獣駆除されている鹿も山に棄てられているのでそれらの取材も平行しておこなった。当初「自然」という大きなキーワードを持っていたが、そのなかで山と人々(住民だけではなく)とのコミュニケーション(不法投棄もひとつのやり取り)に焦点を向けていった。同地に伝わる「失せ物絵馬」なども「やり取り」の例証だろう。 会期前から山に入り投棄物を収集。ヤマビルやマダニの生息するなかで、冷蔵庫やタイヤ、洗濯機などを引き上げていく。害獣駆除された鹿もそれらに加え、等しく1つのフレームに1つの物を吊る作業を会期終了までおこなった。標本箱の立体化のようなドームで、投棄物の観察を可能にした。

ホワイトビル・ウォッシング

シンクロ3チャンネル・fullHDビデオ、サウンド 11’50” カンボジア、プノンペン 2012 2012年に文化交流事業の一環でカンボジアのプノンペンに3ヶ月滞在した。滞在先はSa Sa Art projectのスタジオが入っているスラム化したビルの一室。到着する前、何度も「東京の居住スペースと比較しないでくれ」と念を押される。そのホワイトビルと呼ばれる建物の前に到着したのは、もう夜更けだった。ビルの前には売春婦とポン引きがバイクにまたがってたむろしていて、その前には異臭を放つコンテナにゴミが山積みになっていた。言葉を失いつつも、暗闇のビルの中を現地アーティストを頼りに進んでいく。悪臭が鼻に付き、子どもの声やテレビの音がもれてくる。やっとたどり着いた居住スペースは10平米にも満たない小さな部屋だった。部屋の隣はこのスラムに住む生徒や学生向けのワークショップをおこなうスタジオになっていた。古い和式便所のようなトイレには大きなコンクリート製の水槽があって、そこに溜められた水で便を流したり、身体を洗う。窓は鉄製の柵がしてあるが、ガラスや網戸などはない。虫は自由に出入りできる。「ホワイトビル」という名前が冗談のように、壁や階段は長年の汚れとすすやカビなどで黒ずんでいた。 そんなスラムでの生活も徐々になれた頃、隣に住むコーヒーショップを玄関先で営むおばさんが「廊下や階段が臭くてしょうがない。ヘロイン中毒者が立ち小便や大便をするので、なんとかしてくれ」とSa Saのメンバーに相談していた。それをたまたま聞いていた僕が、手を挙げた。 掃除のプランを考えていくうち、僕がこのビルを掃除してもあまり意味がないように思え、住民たちに声をかけていくことにした。掃除のイベントだ。洗剤、ブラシ、箒、バケツを市場で用意して、人々にスケジュールを説明する。撮影はカンボジア人アーティストと僕が担当し、ホワイトビルに向き合って建つ国会関係監査省(カンボジアの中央省庁の一つ。国会議員、及びその職員の汚職払拭。 業務が公正に行われているかの監査など)からも撮影することになった。ビルの掃除当日。初めは1人、2人の参加者でどうなるのだろうと思っていたが、徐々に参加する人が増え、そのコミュニティのほとんどの家庭がなんらかのかたちで掃除に関わっていた。ホワイトビル始まって以来の大掃除は、住民たちが階下に人がいることなどお構いなしに汚水を流してしまうくらい狂躁的になっていった。長い年月のあいだ積み重なった汚れや壁の傷は消えないが、溜まっていたゴミや汚物もきれいに流され悪臭は消えた。 イベントの終了後、その近隣の人たちととても身近に接するようになった。言葉は通じないが、毎晩のように晩餐に誘われ、部屋の前の通路に椅子を出して近所の人たちと氷入りのビールを飲んでいた。そして僕自身、廊下を通るときや、ちょっと外に出る時には裸足で歩き回るようになっていた。 4年後、改めてホワイトビルを訪れる。住民たちは覚えてくれていて、またビールの宴が繰り広げられた。そこで聞いたのは、あのイベント以降、掃除をするための組織を作って、定期的にみんなで掃除するようになった、とのことだった。しかしそんなホワイトビルもデベロッパーに買い取られたらしく、近々出て行くしかないだろう、とのことだった。このスラムの周辺には中国系や日系のショッピングモールができた。屋上に上がり見渡すと、このホワイトビルだけが取り残されたように佇んでる。 2017年夏、日系企業によりホワイトビルは解体された。

ギャラクシーウォッシュ

シングルチャンネル・HDビデオ、サウンド 14’45” 2008 洗浄や浄化が過剰化する作用に関心を持つようになった。人によって時代によって清潔観念も変化する。あれはきれいでこれは汚い。すべて汚い。すべてきれいにする。僕たちの生活で洗浄することはとても身近な営みだけど、そこに作用している価値判断はどこからくるのだろう。テレビをつけると深夜の通販番組では「なんでも洗える!」とその特別な洗剤をけたたましく宣伝している。なんでも洗える。なんでも洗っている。見えないところで行われているいくつもの洗浄を、僕たちは想像可能なのだろうか。そんなことを思いながら、台所でコップを洗う。野菜を洗う。魚を洗う。

作業にまつわる層序学

シングルチャンネル4Kビデオ、サウンド、横浜市民ギャラリーから排出された約半年間分のシュレッダーゴミ。セバスチャン・マティアス《x/groove space》のフッテージ11’11”2018新・今日の作家展2018 定点なき視点 僕が歩くその道は、アスファルトが敷かれ、その下には砂利などがあり、さらに下には噴火灰や大地震でできた層や、かつて海底だった年代の層が積み重なっている。僕が舞台作品に関わって制作した映像素材を基底に、いくつかの場所を訪れるたびに作業する人を重ねて撮影していった。作業台となるテレビ画面のなかには過去に撮影した作業風景が映っているが、新しく作業を撮影するごとに映像は劣化し、見えにくくなる。それぞれの作業には関連性がないけれど、僕にとっては撮影場所(だいたい展覧会や制作で訪れた)や人が関連していて、制作時における僕にまつわる層序学ともいえるドキュメントになった。発表した横浜市民ギャラリーでは、展覧会の依頼があったときからシュレッダーゴミをためておいてもらい、映像とリンクするようにそれを会場に投入した。会期が始まってからも事務所から出たシュレッダーゴミは展示場所へと運んでもらった。映像終了後、会場内の照明が3分間点灯し、来場者はシュレッダーゴミのなかで次の上映を待つ。 installation view : photo by Ken KATO special thanks: Sebastian Matthias, Jubal Battisti, Lisanne Goodhue, Deborah Hofstetter, Oskar Landstrom, Harumi Terayama, Idan Yoav, Atsuhiro…

100匹の魚(または愉悦のあとさき)

シングルチャンネル・fullHDビデオ、サウンド 13’15” バトゥミ、ジョージア国 2014 ジョージア(グルジア)のバトゥミという港町。このエリアはトルコに近く、またロシアとのあいだで起きた南オセアチア紛争(2008)の場所からも近い。滞在してリサーチに赴くがコミュニティの強い結束が印象的だった。部外者が容易に入っていけず、僕はいつも怪しまれていた。港も山も近く新鮮な魚をえて皆で路上パーティーを開く。撮影場所はイスラム教徒とキリスト教徒が住むちょうど境界のあたりで、道路使用許可などおかまいなしだった。最初は何事かと遠巻きに見ていた人たちも、魚を焼くころには皿を持って待つ人や、ワインを持参する人、ブランデーを振る舞う人があらわれた。テーブルの周りではいくつも乾杯がくりかえされ、狂騒の中すぐに100匹の魚は人々の胃の中へ。残骸はテーブルへ。パーティーが終わるころ、僕は色んな人と抱き合っていた。そして最後には、魚を食べていたのは人間だけではなかったことに気づく。

路上のコスメトロジー

シングルチャンネル fullHD ビデオ、 サウンド10’55”ベルリン, ドイツ2012 アーティスト・イン・レジデンスの機会をえてベルリンに三ヶ月滞在した。近代化と公衆衛生と日本との関係を取材し考察することが当初のプランだった。また地理的な特徴としてベタニアンのあるクロイツベルク地区のジェントリフィケーション(低所得者地域の再開発や改善)にも関心があった。公衆衛生が広まる過程とジェントリフィケーションが重ねて捉えられるように思ったのだった。公衆衛生という人間にとっての善と地区の改善、どちらも有用性によってはかられる。 滞在期間中、街に落ちている糞にオキシドール(過酸化水素水)やアルコールで除菌したり(衛生的アプローチ)、表面にペイント(審美的アプローチ)したりした。そのようなフィールドワークを30数ヶ所くりかえしながら、最終的には美容にまつわるアプローチで路上の糞に向き合っていた。

ダンシング・クレンジング 社交ダンス、横浜

シングルチャンネルHDビデオ、サウンド6’30”横浜、若葉町2011CPUE 2011 ダンシング・クレンジング シリーズの3作目。横浜・若葉町で開催されたグループ展に合わせて制作した。社交ダンスは”Sociality Dancing”の訳からできた言葉で、大正時代から鶴見のダンスホールから富裕層を中心にひろがっていった娯楽だった。ソーシャルダンスという和製英語も広く国内で流通している(Social danceは言葉としてあるがBallroom danceがより近い)。その和製英語のもつ「社会とダンス」を基点としてプランニングしていった。制作時、ダンスはダンススクール以外での場所では風営法の対象でさまざまな規制がなされていた(2015年6月24日風営法改正)。また制作場所である若葉町周辺をリサーチしていたら、ある調査では150ヶ国ほどの国籍・地域出身の人たちが住んでいるという話を耳にした。にわかに信じがたく、法務省の統計を調べてみたら、全国では191ヶ国の在留外国人がいるのでまったくありえない話ではないのだろう。街の雰囲気もアジアを中心とした様々な国の看板が掲げられている。外国人アーティストや留学生、在住外国人の人とともに、100名程の参加者ととともに路上で掃除をきっかけとした「社交ダンス」をおこなった。

ウォッシング・ステージ

パフォーマンス人、木製ステージ、シャンプー、台所洗剤、食材、その他6ftx6ftx2ftThe Kitchen, ニューヨーク2013Maintenance Required

パーク・クリーニング

インスタレーション不定形、公園の枯葉、洗剤、保存瓶写真650mm X 890mm インクジェットドローイング約110mm x 160mm 古絵葉書にガッシュ2010 使われなくなっていた店舗をアートNPOがギャラリーに転換させた空間。そこで個展を開催した。歩いて20分ほどの場所には武蔵野公園がある。そこから公園の清掃で集まった枯葉をもらい、ギャラリーに持ち込んでいった。土ぼこりと、大きな窓ガラスから陽が射し、暖かくなった空間で日に日に発酵していく枯葉。そこで毎晩のようにイベントを繰り返した。また公園の銅像を洗ったときの写真と映像、ドローイングを同時に展示した。

洗浄/洗場/戦場

シングルチャンネル・fullHDビデオ、サウンド7’35”2012

フラッグ・クリーニング

シングルチャンネル・fullHDビデオ、サウンド1’50”台北2010

ポリッシング・ハウジング

不定形石膏ボード、木材、アルミサッシ、ガラス、玄関ドアモンネポルト(長崎県波佐見町)2009 磁器や陶器の製産地で有名な長崎県・波佐見町にある旧製陶工場だったギャラリーでの個展。その空間に1軒の家を建て、磨いていく様子を撮影し、その状況を来場者に見てもらっていた。大量の粉が舞い、僕は防じんマスクと作業用の防護服、ゴーグルを着けて日々作業していた。来場者にはマスクが手渡され、廃虚のような空間を眺めていた。

みんなのカーペット

ラムダプリント粘着ロール紙で集めたホコリ、木製パネルテヘラン、イラン2007 イランの首都テヘランでの滞在制作。家々を訪れ、カーペットの汚れを日本から持参したカーペットクリーナー(粘着テープローラー)を使い掃除していった。あまりそのような道具を使わないのか、これを使って掃除したいというと少し不思議がられた。またある人には「うちは毎日掃除機かけているから汚れていない」といわれたりもしたが、クリーナーをころがしてみると毛やホコリなどが付着し、驚いている人もいた(まるで訪問販売員のようだ…)。その粘着テープの表面に付着したホコリは、カーペットによってそれぞれ異なる。すこし赤みがかったもの、黄色いもの。土足の家では当然土ぼこりが付着する。それら出会った人々の家のカーペットの表面を繋ぎ合わせ「みんなのカーペット」をつくった。

ダンシング・クレンジング クラブ、小金井・東京

2チャンネルシンクロHDビデオ、サウンド小金井10’20″2013 ダンシング・クレンジング・シリーズ4作目。小学校でのアーティストを入れての美術活動。日本の学校では「クラブ活動」が盛んだが、もちろんナイトクラブのクラブではなく、部活動のクラブだ。そして毎日の清掃活動も僕が小学校の時と変わらない。清掃は学校でのディシプリンとして強く作用しているように思う。海外の学校で清掃を生徒たちがおこなうのは稀なようだ。何度かのセッションをおこなって、野外で泡を使ったパフォーマンスで映像は締めくくった。その際、生徒たちにもカメラを持ってもらい、撮影してもらった。みんな学校内の撮影では見せなかった表情で、泡まみれになるもの、それを撮るもの、その状況を遠巻きに見る生徒たちが興味深かった。