ホワイトビル・ウォッシング

1960年代にロシアの建築家によって設計されたホワイト・ビルは、当初中流家庭が住む団地のようなモダンな住宅群だった。しかし内戦により住民は追われ、または殺害された。停戦後、家を持たない人々が住み始め、スラムの様相を生み出した。1階の路面では食堂や洗濯屋、雑貨屋が軒を並べ、夜には売春婦やヘロインの売人が立つ。2011年から2012年にかけて私は2ヶ月間滞在し、ここの住民たちと暮らした。時が経ち、住民たちと酒を飲み、ご飯を共に食べていくなかで、隣の女性が「階段と廊下を誰か掃除してくれないか。臭くて困っている」という話をしていた。それをきっかけに今回のプロジェクトは動き出した。住民に聞くと今まで共同で掃除をしたことはなかったという。私はブラシやバケツ、洗剤を用意し、何人かの住民に掃除に参加してくれるように声をかけた。掃除が始まる。一人の青年がまず階段のゴミを掃き出していく。それを見ていた近所のおじさんがその後を水で流しブラッシングしていく。徐々に近所から人が集まりホワイトビル初めての大掃除が繰り広げられた。私はエスカレーションしていく様に呆然としながら、掃除後みんなで酒を飲み続けた。

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The white building washing
3 channel sync full HD video with sound
11’40”
Phnompenh, Cambodia
2012

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installation view “Roppongi Art night 2013”

© masaru iwai