Category: 2017

モーターサイクル・ウォッシング

2チャンネル・シンクロ4Kビデオ、サウンド10’34”タイ2017 タイでの滞在制作。ミャンマーとの国境近くの町バーン・ノーン。ここにはミャンマー労働者が合法・不法を問わず数多く働いている(ゆえにシルエットは個人を特定できない)。バイクを運転することは違法なのだけど、彼/彼女らからバイクを取り上げると生活ができなくなる。タイで働いた給料で買ったピカピカのバイクを誇らしく乗っている彼らがとても印象的だった。寺院の集会スペースで洗車と撮影。現地のタイ人コーディネーターから「もっと洗って」「もっと丁寧に」といった指示がとぶ。そんな指示の中で彼女の話とか、雑談しながらバイクを洗う姿は、普段から工場でタイ人の上司から指示されて作業する彼らの姿と重なった。 個展《親密の遠近法》インスタレーション風景 写真・加藤健

ダンパリウム

不法投棄物、ワイヤー、ボルト、木、その他h6m x ø12m、h3m x ø6m、h1.5m x ø3m石巻市鮎川、宮城Reborn Art Festival2017 東日本大震災で大きな被害を受けた石巻市でのアートフェスティバル。リサーチを繰り返すたびに、同地の山にはたくさんの不法廃棄物があることが確認できた。古いものが多く、共生しているような趣もあって、アニメの世界のようにも思えた。また同時に害獣駆除されている鹿も山に棄てられているのでそれらの取材も平行しておこなった。当初「自然」という大きなキーワードを持っていたが、そのなかで山と人々(住民だけではなく)とのコミュニケーション(不法投棄もひとつのやり取り)に焦点を向けていった。同地に伝わる「失せ物絵馬」なども「やり取り」の例証だろう。 会期前から山に入り投棄物を収集。ヤマビルやマダニの生息するなかで、冷蔵庫やタイヤ、洗濯機などを引き上げていく。害獣駆除された鹿もそれらに加え、等しく1つのフレームに1つの物を吊る作業を会期終了までおこなった。標本箱の立体化のようなドームで、投棄物の観察を可能にした。