みんなの感想。

・ナガトモさん:タバコのゴミ拾い。そのときにタバコが踏みつけられて、土まみれになっているのを見て、何十年、何百年したら有機物みたいになるのではないか。放射性物質も何百年も経ったら人体に害がなくなると言われているけれど、今除染とかしなくてはいけないのは、今のところ人間に害があるからで、それを人の手で掃除しなければいけないというのが、なんか複雑な気分になった。

岩井:すべてのものは地球上にあるもの。自分たちの都合で地底から取り出した物質や鉱物を自分たちの判断で危険が有用か判断している。何億年、何千万年という視点に立てば、また違った考えになるかも知れない。

・ゴトウさん:一つエピソードですがマスクをかぶっていることで、小さな男の子か近寄ってきて「もういいかい」と言い始めて(笑)マスクをしているのを見て、かくれんぼをしていると思ったみたいで「まぁだだよ」って返したら、またちょっと離れて「もういいかい」と言ってきて、少し遊び相手になったのですが。私がマスクをかぶっていなかったら、たぶん子どもはそれを言わなかったと思う。子どもは「これはなんだろう」ってきっと思ったのだと思う。マスクをかぶる被らないの違いを経験した。

・ヒラノさん:私は最初勇気がないから家で掃除した。その後家の外を掃除してクモの巣を払い落とした。クモにとっては迷惑だろうなと思いつつ。クモが好きなので、払い落とすのは罪だなと思いながら、複雑な気持ちになりつつ。室内の植木鉢にビニールをかぶせてたのは、植木はフェイクグリーンで、白い綺麗な石を置いているので、それをホコリから守るためにビニールをかけていた。最近、ビニールが嫌いなので、とったほうが良いように思っている。

・タロさん:私は自宅の前を掃除した。毎朝玄関と庭を掃除することが私の担当になっているけど、朝いつもは自分の庭の落ち葉や散った花弁がよその家に迷惑かけないように、と思ってできるだけ朝早くに掃除するようにしている。でも今回はマスクをかぶっていつもよりちょっと遅い時間にやってみたのだけど、向かいの人が出てきて「はっ?!」みたいな(笑)それで玄関に戻っていく、みたいなことがあった。普段掃除しているところというので玄関を選んだのだけど、敷地と公道との境めでもあるし、お隣のお宅との境めでもある。でも掃除をする境界ってグラデーションのような曖昧な部分があると思った。枝を拾っている写真を1枚撮ったのだけど、それは「うちの枝じゃないなー」と。いろいろ混ざっていくし、曖昧なものだな、と感じながらも自分の前にあるものと、自分の家から出たであろう、隣にある落ち葉を掃除する、ということをマスクをしながら掃除して改めて考えた。

・カシワさん:私は海でゴミ拾いをしたんですけど、なんで海を選んだのかというと、家の周りだと恥ずかしかったので、海にいけば、ウエディングの撮影や、いろんな人がいるので恥ずかしくないだろうと考えた。海は本当にいろんなゴミが流れてくるし、それこそ境界線なんか全然ないくらい全部繋がってる。毎日ゴミ拾いしている人たちからすると、私なんて行って写真撮って、すぐに帰ってきちゃうみたいな、引目というか、そいうのを感じたので、今後何かアクションを起こしたいな、とは感じました。

岩井:前回の質疑のときに「清掃が大切なのか、写真が大切なのか」という話をしましたが、除染の手順に従えば「写真が大切なのだ」という話をしました。写真がなければお金は支払われない。手抜きをしていても写真がちゃんと残っていれば問題ない。そういうことの表れとしても見ることができます。

・ミヤザキさん:原発の除染イメージで掃除した。マスクの下にプロ用のN95のマスクを着用して掃除しました。これほとんど息ができないですね。除染作業者の方もこれを使っていたと思うのですが、通常のマスクと全然違っていて、ものすごく苦しいです。苦しい作業を自分でもやってみようと思って暑い防護服のようなものを着て長靴を履いてやってみました。以前原発のある村に住んでいたのだが、設置してある村は急にきれいになって境界がすぐに分かる。山とかは違う風景になっていて、そういう似たような場所を横浜で探して選んだ。やってみて作業者の人はとても苦労してやってるんだな、というのが分かった。マスクを外したい衝動に駆られた。

・ミヤジマさん:マスクをかぶってうちの猫のトイレを掃除した。写真を撮る、というのは1人だと本当に難しい。カメラのアングルを決めて、その後掃除をするので全然掃除に集中できなかった。場所を変えるというのは難しかったので、場所を変えてまた撮影したい

・ナユさん:私は今回自分の車を掃除した。なんで車にしたかというとマスク制作の時にパッケージを集めていたのだけど、化粧品の箱だったり、食べ物の袋だったり。その時に自分の表面的な部分を作り上げるものだな、とすごい意識させられたので、自分にとってマスクにもパッケージにもなる「車」を掃除することにした。私は今九州のほうに住んでいるんですけど、PM2.5とか黄砂が結構すごくて、それでより車がホコリっぽくなる。
岩井:画像の中にきれいに拭いたところと、ホコリを残したところを写したものがあるけど、これはそのまま乗ったりしましたか? 
あれをそのまま乗りました(笑)ちょっと恥ずかしかった。もやもやしてすっきりしなかった。

・イシヅカさん:今回庭の雑草を取るのと、庭木の剪定をやった。雑草のうちドクダミもダーゲットになるのだけど、個人的には花もきれいだし、個人的には好きな草。だけど雑草として取られてしまう。そういう価値観というか、掃除されるものとされないものが区分けされていくな、というのを感じました。バラの剪定についても人間にとってはきれいなのだろうけど、植物にとってはどうなのだろうか、と日頃疑問に思っていたことを踏まえて撮影した。

・エガワさん:僕は小学校の図工室を掃除しました。新型コロナウイルスの対応で毎回授業が終わるたびに塩素消毒した雑巾で清掃する、そういう様子を撮影。子どもたちからは「なんでマスクかぶってるの?」って不思議そうにしていた。マスクはとにかく暑いし、境界線というか、ウイルスのように見えないものを雑巾掛けするというのは、見えないから本当に果たしてこれできれいになっているのか、大丈夫なのかが分からない。そういうところは放射性物質の除染と似たようなところがあるのかな、と思った。また数値化できないところがウイルスの特徴ではないか。

・オオキさん:家の周りが田んぼしかないので、田んぼをバックに写真をとった。マスクをして掃除しているところを誰にもみられたくなかったので、掃除に全然集中できなくて、写真を取ることに集中しました。だからちゃんと掃除したかったな、と。
岩井:背景もきれいで、とても魅力的な写真ですよ!

・イイジマさん:1人で撮影したので、撮影の可能な場所を探してから清掃した。雑居ビルみたいなところに住んでいるので、日曜日などは人がいない。撮影していて、カメラの向こう側が考えるようになって少し不気味に感じた。私は1人でカメラに対峙しているけど、カメラの向こう側には美術館で見ている人や、インスタで見ている人の視線を感じるようで、カメラのこちらとそちらの境界線を感じた。

・オカドメさん:僕は炎天下の日にマスクをかぶったまま家を出て川に向かったのだけど、川に向かいながら掃除していた。川に砂場みたいなところがあって、ここを掃除したら面白いんじゃないかと思った。何が汚れで何が汚れじゃなないのか。砂をずっと掃いているので。だんだん分からなくなった。1日ずっとアクションした日に、付けてたマスクのパーツ(パッケージ)が落ちてて、どこかに。自分はマスクをしていたので全然気づかなかったですけど、知らない間に落としてて、掃除してたのに汚しちゃった、みたいな。どこかでゴミになっている。でもそれって髪の毛とかも普通に落ちるじゃないですか。だから動物とかもそうだけど、なんもしなくても汚しちゃうんやな、と。

・タカヤマさん:一番驚いたのは後藤さんと同じ場所で撮ってるんですよ。
岩井:一緒に撮られたんじゃないんですか?! 
じゃないんです。出会ってしまったら面白かったかも知れないんですけど。このワークショップでこんなご近所の方がいらっしゃるとは思いもしなかった。ゴトウさん:私もびっくりしました(笑)やっていて思ったことは、ゴミってものの移動だな、と。だからなくならない。僕はちりとりを持っていなかったので、ホウキを動かすことでゴミが動いていくだけ。除染もそうだけど、汚染物質をなくしているわけではなくて、エリアを移動させているだけっていう。いろんなことがそうなのかも知れない。

・にゃんにゃにゃーさん:前回はお家の中だけで完結したんですけど、今回はお庭まで出てみました。ここのところ数週間ものすごく暑かった。このまま行くと暑くて倒れるんじゃないかと思って、途中からマスクを外しながら掃除した。ほんとに死ぬなーと思った。熱中症で倒れる人はさっきまで元気だった人が、急に容態が悪くなるから怖い。

・モンマさん:僕は釣りが趣味で釣りによく川や海に行きます。そしてゴミが多く落ちている。大きなものは個人的に拾ったりしてたので、その延長で今回やりました。ただ今回は写真映えというか、いいゴミがあまり落ちてなかった。普段から思うのは釣り人は陸に落ちたゴミは拾うんだけど、川とかにルアーとか引っかかって取れなくなると、切ってしまう。それってもうそのまんま。いつも川を汚しているな、と。だからと言ってわざわざ川の中に入って取りに行くことはしない。陸と川の境界というか、自分たちの手が届く範囲の境界と手の届かない境界というのがあって。釣りも原発も。釣りの場合、手の届かないところに道具を使って、モノ(ルアーとか)を入れて、それが切れちゃったら、もうどうしようもない。原発も手の届かないところで事故が起きて、最終的に除染作業のような大変な作業を必要としてしまっている。そんなことを意識させられた。

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