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《彗星たち》第2期ディスカッション
8/23フォローアップ

みんなの感想。 ・ナガトモさん:タバコのゴミ拾い。そのときにタバコが踏みつけられて、土まみれになっているのを見て、何十年、何百年したら有機物みたいになるのではないか。放射性物質も何百年も経ったら人体に害がなくなると言われているけれど、今除染とかしなくてはいけないのは、今のところ人間に害があるからで、それを人の手で掃除しなければいけないというのが、なんか複雑な気分になった。 岩井:すべてのものは地球上にあるもの。自分たちの都合で地底から取り出した物質や鉱物を自分たちの判断で危険が有用か判断している。何億年、何千万年という視点に立てば、また違った考えになるかも知れない。 ・ゴトウさん:一つエピソードですがマスクをかぶっていることで、小さな男の子か近寄ってきて「もういいかい」と言い始めて(笑)マスクをしているのを見て、かくれんぼをしていると思ったみたいで「まぁだだよ」って返したら、またちょっと離れて「もういいかい」と言ってきて、少し遊び相手になったのですが。私がマスクをかぶっていなかったら、たぶん子どもはそれを言わなかったと思う。子どもは「これはなんだろう」ってきっと思ったのだと思う。マスクをかぶる被らないの違いを経験した。 ・ヒラノさん:私は最初勇気がないから家で掃除した。その後家の外を掃除してクモの巣を払い落とした。クモにとっては迷惑だろうなと思いつつ。クモが好きなので、払い落とすのは罪だなと思いながら、複雑な気持ちになりつつ。室内の植木鉢にビニールをかぶせてたのは、植木はフェイクグリーンで、白い綺麗な石を置いているので、それをホコリから守るためにビニールをかけていた。最近、ビニールが嫌いなので、とったほうが良いように思っている。 ・タロさん:私は自宅の前を掃除した。毎朝玄関と庭を掃除することが私の担当になっているけど、朝いつもは自分の庭の落ち葉や散った花弁がよその家に迷惑かけないように、と思ってできるだけ朝早くに掃除するようにしている。でも今回はマスクをかぶっていつもよりちょっと遅い時間にやってみたのだけど、向かいの人が出てきて「はっ?!」みたいな(笑)それで玄関に戻っていく、みたいなことがあった。普段掃除しているところというので玄関を選んだのだけど、敷地と公道との境めでもあるし、お隣のお宅との境めでもある。でも掃除をする境界ってグラデーションのような曖昧な部分があると思った。枝を拾っている写真を1枚撮ったのだけど、それは「うちの枝じゃないなー」と。いろいろ混ざっていくし、曖昧なものだな、と感じながらも自分の前にあるものと、自分の家から出たであろう、隣にある落ち葉を掃除する、ということをマスクをしながら掃除して改めて考えた。 ・カシワさん:私は海でゴミ拾いをしたんですけど、なんで海を選んだのかというと、家の周りだと恥ずかしかったので、海にいけば、ウエディングの撮影や、いろんな人がいるので恥ずかしくないだろうと考えた。海は本当にいろんなゴミが流れてくるし、それこそ境界線なんか全然ないくらい全部繋がってる。毎日ゴミ拾いしている人たちからすると、私なんて行って写真撮って、すぐに帰ってきちゃうみたいな、引目というか、そいうのを感じたので、今後何かアクションを起こしたいな、とは感じました。 岩井:前回の質疑のときに「清掃が大切なのか、写真が大切なのか」という話をしましたが、除染の手順に従えば「写真が大切なのだ」という話をしました。写真がなければお金は支払われない。手抜きをしていても写真がちゃんと残っていれば問題ない。そういうことの表れとしても見ることができます。 ・ミヤザキさん:原発の除染イメージで掃除した。マスクの下にプロ用のN95のマスクを着用して掃除しました。これほとんど息ができないですね。除染作業者の方もこれを使っていたと思うのですが、通常のマスクと全然違っていて、ものすごく苦しいです。苦しい作業を自分でもやってみようと思って暑い防護服のようなものを着て長靴を履いてやってみました。以前原発のある村に住んでいたのだが、設置してある村は急にきれいになって境界がすぐに分かる。山とかは違う風景になっていて、そういう似たような場所を横浜で探して選んだ。やってみて作業者の人はとても苦労してやってるんだな、というのが分かった。マスクを外したい衝動に駆られた。 ・ミヤジマさん:マスクをかぶってうちの猫のトイレを掃除した。写真を撮る、というのは1人だと本当に難しい。カメラのアングルを決めて、その後掃除をするので全然掃除に集中できなかった。場所を変えるというのは難しかったので、場所を変えてまた撮影したい ・ナユさん:私は今回自分の車を掃除した。なんで車にしたかというとマスク制作の時にパッケージを集めていたのだけど、化粧品の箱だったり、食べ物の袋だったり。その時に自分の表面的な部分を作り上げるものだな、とすごい意識させられたので、自分にとってマスクにもパッケージにもなる「車」を掃除することにした。私は今九州のほうに住んでいるんですけど、PM2.5とか黄砂が結構すごくて、それでより車がホコリっぽくなる。岩井:画像の中にきれいに拭いたところと、ホコリを残したところを写したものがあるけど、これはそのまま乗ったりしましたか? あれをそのまま乗りました(笑)ちょっと恥ずかしかった。もやもやしてすっきりしなかった。 ・イシヅカさん:今回庭の雑草を取るのと、庭木の剪定をやった。雑草のうちドクダミもダーゲットになるのだけど、個人的には花もきれいだし、個人的には好きな草。だけど雑草として取られてしまう。そういう価値観というか、掃除されるものとされないものが区分けされていくな、というのを感じました。バラの剪定についても人間にとってはきれいなのだろうけど、植物にとってはどうなのだろうか、と日頃疑問に思っていたことを踏まえて撮影した。 ・エガワさん:僕は小学校の図工室を掃除しました。新型コロナウイルスの対応で毎回授業が終わるたびに塩素消毒した雑巾で清掃する、そういう様子を撮影。子どもたちからは「なんでマスクかぶってるの?」って不思議そうにしていた。マスクはとにかく暑いし、境界線というか、ウイルスのように見えないものを雑巾掛けするというのは、見えないから本当に果たしてこれできれいになっているのか、大丈夫なのかが分からない。そういうところは放射性物質の除染と似たようなところがあるのかな、と思った。また数値化できないところがウイルスの特徴ではないか。 ・オオキさん:家の周りが田んぼしかないので、田んぼをバックに写真をとった。マスクをして掃除しているところを誰にもみられたくなかったので、掃除に全然集中できなくて、写真を取ることに集中しました。だからちゃんと掃除したかったな、と。岩井:背景もきれいで、とても魅力的な写真ですよ! ・イイジマさん:1人で撮影したので、撮影の可能な場所を探してから清掃した。雑居ビルみたいなところに住んでいるので、日曜日などは人がいない。撮影していて、カメラの向こう側が考えるようになって少し不気味に感じた。私は1人でカメラに対峙しているけど、カメラの向こう側には美術館で見ている人や、インスタで見ている人の視線を感じるようで、カメラのこちらとそちらの境界線を感じた。 ・オカドメさん:僕は炎天下の日にマスクをかぶったまま家を出て川に向かったのだけど、川に向かいながら掃除していた。川に砂場みたいなところがあって、ここを掃除したら面白いんじゃないかと思った。何が汚れで何が汚れじゃなないのか。砂をずっと掃いているので。だんだん分からなくなった。1日ずっとアクションした日に、付けてたマスクのパーツ(パッケージ)が落ちてて、どこかに。自分はマスクをしていたので全然気づかなかったですけど、知らない間に落としてて、掃除してたのに汚しちゃった、みたいな。どこかでゴミになっている。でもそれって髪の毛とかも普通に落ちるじゃないですか。だから動物とかもそうだけど、なんもしなくても汚しちゃうんやな、と。 ・タカヤマさん:一番驚いたのは後藤さんと同じ場所で撮ってるんですよ。岩井:一緒に撮られたんじゃないんですか?! じゃないんです。出会ってしまったら面白かったかも知れないんですけど。このワークショップでこんなご近所の方がいらっしゃるとは思いもしなかった。ゴトウさん:私もびっくりしました(笑)やっていて思ったことは、ゴミってものの移動だな、と。だからなくならない。僕はちりとりを持っていなかったので、ホウキを動かすことでゴミが動いていくだけ。除染もそうだけど、汚染物質をなくしているわけではなくて、エリアを移動させているだけっていう。いろんなことがそうなのかも知れない。 ・にゃんにゃにゃーさん:前回はお家の中だけで完結したんですけど、今回はお庭まで出てみました。ここのところ数週間ものすごく暑かった。このまま行くと暑くて倒れるんじゃないかと思って、途中からマスクを外しながら掃除した。ほんとに死ぬなーと思った。熱中症で倒れる人はさっきまで元気だった人が、急に容態が悪くなるから怖い。 ・モンマさん:僕は釣りが趣味で釣りによく川や海に行きます。そしてゴミが多く落ちている。大きなものは個人的に拾ったりしてたので、その延長で今回やりました。ただ今回は写真映えというか、いいゴミがあまり落ちてなかった。普段から思うのは釣り人は陸に落ちたゴミは拾うんだけど、川とかにルアーとか引っかかって取れなくなると、切ってしまう。それってもうそのまんま。いつも川を汚しているな、と。だからと言ってわざわざ川の中に入って取りに行くことはしない。陸と川の境界というか、自分たちの手が届く範囲の境界と手の届かない境界というのがあって。釣りも原発も。釣りの場合、手の届かないところに道具を使って、モノ(ルアーとか)を入れて、それが切れちゃったら、もうどうしようもない。原発も手の届かないところで事故が起きて、最終的に除染作業のような大変な作業を必要としてしまっている。そんなことを意識させられた。 ※インスタグラムにちょっこっとコメントしていってるので、もし良かったら目を通してみて下さい。

《彗星たち》ディスカッション
7/26フォローアップ

縦向きの画像が何人かいらっしゃったので、次回横向きで撮影して下さい! 参加者の感想 ・ゴミイエローさんは磯子区障害者地域活動ホームという障害を持った方たちと共に、2年ほど前から月に1度、磯子駅の周辺を清掃活動している。先月から近所の「はまマーケット」の清掃もしている。今回は日曜日だったのでゴミイエローさん単独で清掃。まだまだ地域になじんでないので、子どもが泣いたり、大人も驚いて近づいてこなかった。でも基本的には皆さんありがとう、とかご苦労さん、と声をかけてくれた。ゴレンジャーのキレンジャーのようなマスクの上から今回のマスクをかぶって、とても暑かった。「私たちも存在しているんだ」と言う、住民の人やデモンストレーションとして。 ・タケマサさん。自宅から近い新宿中央公園での清掃記録。新宿は新型コロナのエピセンターになっているといわれるが、「治って欲しい、きれいになって欲しい」という思いを込めて清掃したとのこと。子どもに見られたが、こういう大人もいるよね、という扱いだった。新宿の象徴でもあり、コロナ対策の本部のある都庁を背景に記録を撮影。 ・ダイソンさん。まず初めに自宅の窓を掃除した時には緊張しなかったが、公園の落ち葉を掃除。他人の目があるので緊張したけど、マスクをかぶってしまえば気にならなくなった。それと側から見たら変な人(不審者)だけど、でも今こうやって参加している人もマスクをかぶって清掃している人が他にもいると思うと、気分がほぐれたというか。他の人も日本のどこかで同じようにやっていると思うと、ちょっと緊張が解けたような。背中を押された気持ち ・ミツキさん。コロナ禍になってからよく近所を散歩するようになった。気づかなかった裏山があることをしったりして、そんな散歩道を掃除しようと思った。犬の散歩をしている人が多く恥ずかしかったが、声をたくさんかけてくれて、普通だったら声をかけられることはないのに、繋がりのきっかけや話すきっかけになれたのかな、と。  マスクと背景が相まって、その集落の踊りのように見えますね(岩井) ・カジワラさん。自宅の周りの清掃。落ち葉とか落ちていた。近所の子どもたちには変な目で見られていた。 ・タケシマさん。自宅前と近所を妹と一緒に清掃。インスタにアップしたら、良い反応があった。いつも家の前を清掃しているので、同じようにマスクをかぶって清掃。学校と清掃はとても深い関係があると思うので、その点も興味深いです(岩井) 境界線、線引きについて。 「汚い/きれい」の判断。線引き。例えば葉っぱ一枚落ちているだけで汚いと感じたり、逆に新宿のゴールデン街のようにタバコの吸い殻が落ちていても普通に感じたり、雑然としている方が心地よかったり。その境界って勝手決めてしまったりするのですが、その辺皆さんは今回掃除してみてどうでしょうか? ・にゃんにゃにゃーさん。うちは一軒家だけど、家の前だけ、というわけにはいかず、結構上の方までできる限りやってしまう。きっちり分けて、というわけにはいかない。実際できない人もいる。高齢者とか。そういう人たちの場所をやるのも当たり前という気もするし、だけど、それがいつものことになってしまうと負担も大きい。 参加者の父がこのワークショップ期間中に亡くなったことから「穢れ」を清めるということにも話が及びました。 「線引きされるのは効率良く清掃するためには必要なのでは?」という意見があがる一方「線引きされる側はたまったものではない」という意見が出ました。また線引きを行う「政府」はイコール国民なのか、という話にまで発展。時間切れになってしまったので次回に持ち越しになりました。 マメさんの父がこのワークショップ期間中に亡くなったことから「穢れ」を清めるということにも話が及び、「みそぎ」「気持ちこを込める」という宗教的・精神的な側面にも話が広がりました。 またカゲヤマさんは10数年間ハウスクリーニング業を通して感じたこと、実際の業務ではマスクや手袋をつけなかったり、「慣れ」や「免疫」にまつわる話を聞かせてくれました。 ※インスタグラムにちょっこっとコメントしていってるので、もし良かったら目を通してみて下さい。

《彗星たち》マスク制作フォローアップ

ワークショップに参加したけれど、Zoomの接続が悪かったり、参加できずフォローが必要な参加者向けにこのページを作りました。マスク制作参加できなかったけど次回のディスカッションに参加したい人、今回ネット環境が悪く、あまり聞き取れなかった人、マスク制作ワークショップのおさらいをしますので、下記を参考にしてください。 1. マスクについて簡単な説明 ・今回のマスクには黒鉛(正確には黒鉛とアクリル絵具)が塗ってあります。黒鉛は鉛筆の芯の材料であり、世界で最初の原子炉でも使用されました。現在の日本では軽水炉という方式が一般的です。 ・不要になったパッケージを使って紙袋型マスクをカスタマイズ。カスタマイズすることによって、同じかたちのマスクがそれぞれ自分を表すものになります。 ・作業の注意点を説明(カッターの取り扱いなど)。 2. マスク制作 ・制限時間は30分。Zoom越しにみんなでカスタマイズします。 ・マスクが小さい場合は切って広げ、大きい場合はテープでしばったりして調整。 ・制作終了後、全員でマスクを被り、記念撮影(画面共有)。 3. 除染作業から制作した「ハウツービデオ」(約8分)の視聴。 ・通信環境などが悪く見れなかった場合は、次回のディスカッションの冒頭や、次期マスク制作のときにZoomで視聴できます。 4.「清掃アクション」の説明。 ・ポートレイトは横向き、可能なら全身、セルフタイマーなどを使って工夫してください。無理なら手持ちで自撮り。制作したマスクを被って清掃・撮影。 ・注意事項:自宅、公園、公道など撮影可能な場所で。他人の所有地などでは許可が必要です。視界が遮られるので、野外では車や歩行者に注意すること。また直射日光や夏日には熱中症に気をつけること。 ・清掃から境界線や記録を残すことを意識してみたり、普段清掃しない場所を清掃してみましょう。 5.画像共有の方法 後日送信するメールに記載されたDropboxのURLに1画像あたり4MB、5枚までの画像を共有。  6.次回ディスカッションへの説明&質疑応答 参考画像